Like The Floating Moon pt.2

音楽レビュー、読んだ本、ひとりごと。記事を書く時の「冗長さ」と書かない時の「やる気の無さ」の落差が非常に激しいブログです。

hf5を買ってBA型イヤホンすごいって思った話 (イントロ編)

※いつの間にか記事全体がすごい長さになっていたので、記事を「イントロ編」(本記事)、「レビュー編」、「運用編」に分割しました。前置きを読み飛ばしたい方は「レビュー編」に、使い分け方や他機種との比較などは「運用編」にどうぞ。

 

お久しぶりです。大学が本格的に始まってから忙しくて全く更新できませんでしたが重い腰を上げて半年以上ぶりの更新です。

大学のレポートにしてもこういうブログにしても「よし書こう」ってなるまでになかなか行かないんですね…。どうも気負いすぎな気もしますが、それも自分の性格なんでまあしょうがないところもあります。無理せず、ぼちぼちと、コンスタントに更新していきたいですね。

というわけで、何を書こうかなと思っていたんですが、最近買ったイヤホンのレビューでもしようと思います。Etymotic Researchのhf5です。
今までダイナミック型ばかり使っていた僕にとって、初のBA型イヤホンです。オーディオの話とかできていなかったので割りとはりきってます。

 

(※どうでもいい報告ですが…この記事を書いてる途中にパソコンデスク近くにゴキブリが出ました。出るだけならまだしも、肩の上にカサカサと載ってきて、夜中なのに『ぎゃああ!』(文章ママ)と叫んでしまいました。殺虫剤もないので、洗剤のボトルとamazonの平たい段ボール封筒(叩くやつ用)をデスクに置き、戦々恐々とした状況の中記事を書いてます。きょう果たして眠れるのかな…)

 BA型イヤホン。お手軽で分かりやすいドンシャリな音作りの多いダイナミック型イヤホンに比べると、やはり「正確な音色」「中高音の鮮明さ」「高い解像度」と、まさに「高級機!」というイメージがあります。最近では5000円代から買える製品も出てきましたが、4万円以上の高級機となるとBAドライバを片耳に3~4本以上搭載するのも当たり前になりました。

2~3年くらい前でしょうか、そういった「鮮明な音色」に憧れて大型店で試聴したのがBA型との出会いです。機種はShureSE535LTD。そう、あこがれのShureです。「5万円のBA型ってことはめっちゃクリアな音に違いない!」と期待しつつ、慣れない「Shure掛け」をやっとのことで成功させ、期待しながらプレイヤーの再生ボタンを押しました。…が、音が鳴った瞬間、正直言って「なんだコレ…」と思いました。

音場は妙に狭くてに広がりがないし、高音はぜんぜん伸びない。今思うと隅々まで音を描写できていて「クリア」だったとは思うんですが、「ヌケの良さ」がなかったために、篭っていて窮屈な音に聞こえたわけです。5分の1以下の値段の手持ちのMDR-XB90EX(ドンシャリ系)の方が、これよりもずっと楽しく音楽を聴けると思いました。
こうして僕のBA型に対する第一印象は「音がこもる」「つまらない音色」という最悪のものになります。
(※SE535LTDも今聞くと、『一つひとつの音が鮮明に聞こえるし良いイヤホンだな』とは思います。同じくフラット傾向である下位機種のSE425と比べても解像度が高く、音の味付けが絶妙で、その違いは明らかです。問題が値段の高さ。これが3万円以内だと『買い』のレベルなんですが…)

 その後、XB90EXの音の籠もりや本体の重さに不満を持つようになり、今年はじめくらいにゼンハイザーのIE60に乗り換えます。実売2万円くらいのイヤホンですが、eイヤホンの中古コーナーで買ったので12000円くらいでした。

IE60はとにかくコスパ抜群のイヤホンです。中高音に「ツヤ」があり、ヘッドホン並に広い音場と包み込むような低音があります。同価格帯の中では若干解像度が低めながらも、ダイナミック型にありがちな「籠もり」「閉塞感」が殆ど感じられません。自然だけれども楽しい音を演出してくれるイヤホンだと思います。

ただ、上位機種のIE80やIE800には明らかに音質の面で劣ってます。IE80はIE60の低音の質と量をさらにパワーアップさせた感があり、IE60で気になる解像度の低さも感じられません。リケーブルもできます。IE800はリケーブルはできないものの、極小の本体からHD800(同メーカーのハイエンドヘッドホン)に迫る音質を出すという物凄いイヤホンです。

しかし、IE80は3万半ば、IE800に至っては10万円にまで至ることを考えれば、似たような傾向のIEシリーズの機種を2万円以内(中古だと1万ほど)で手に入れられるというのはやはり大きいと思います。この価格帯では実に理想的なイヤホンの一つです。

【国内正規品】ゼンハイザー カナル型イヤホン イヤーモニタータイプ IE60

【国内正規品】ゼンハイザー カナル型イヤホン イヤーモニタータイプ IE60

 

さて、IE60の音にほとんど不満はなかったんですが、ドンシャリ好きの耳からIE60のようなバランスのいい音色を求めるように耳の好みが変わっていたのもあり、BA型も一本サブ用に欲しいかもな、とふたたび興味を持ちはじめました。

BA型に対する印象が一変したのは、オーテクのIM02を試聴した時です。高音寄りの音は少しシャリつきがあるものの、ハリのあるきらびやかな音色で籠もりとは無縁。締りのある低音もそこそこに出ています。何よりカチッとまとまった音が好印象でした。「俺が思い浮かべてたBA型の当初のイメージそのままだな…」と驚いたわけです。
しかし、IM02は2万円。サブとして買うには1万円半ばまでと考えていたので、これではちょっと予算オーバーです。

 しかしBA型の良さに気付けた気がしたのは収穫です。それならいっそ参考までに「BA型の最高峰」の音を聴いてみよう!となり、予算度外視でEtymotic Research(以下、エティモ)のER-4Pを試聴してみました。店舗価格で4万、音屋の並行輸入品でも当時の価格 (といってもつい2ヶ月ほど前ですが…) は3万超え、シングルBA機種の最高峰です。

 

【国内正規品】 Etymotic Research カナルイヤフォン ER4-PT-B

【国内正規品】 Etymotic Research カナルイヤフォン ER4-PT-B

 

 高級機にしては見てくれがかなり無骨で地味です。独特な形の「三段フランジ」を耳に突っ込んで聞くんですが、装着感がちょっと痛いです。それでも期待を膨らませつつ、Walkman(F887)の再生ボタンを押すと…

しゅ…しゅごいのぉ!か、かなたんのおうたがぁ 凄いです。花澤香菜さんが頭の中で「歌ってます」「鳴って」るじゃなくて「歌って」るんです。

全体的に中高音寄りの冷たい音色を出します。最初にボーカルの透明感と実体感に耳を奪われたんですが、よく聴くとバッキングの音色の出し方もすごいです。キラキラとしていて、とてつもなく透明感のある音です。BGMで流すと情報量が多すぎて集中できないんじゃないか、と思うくらいの解像度の高さ。とにかく音源から出る音を隅々までクリアに描写します。「三段フランジ」のおかげで遮音性もイヤホンの中では最高峰クラス。低音は必要最低限の音量しか出ず若干不足気味ですが、ボワ付き知らずの硬質な響きを鳴らしてくれます。

 ER-4シリーズは確かに凄い。伊達に20年以上も「BA型の最高峰」を誇ってるわけじゃありません。しかし、流石にこの値段は…ちょっとなぁ…でもあの透明感、響きのクリア感は忘れられない…。

ここで白羽の矢が立ったのが、ER-4の普及版的な位置づけのhf5です。

ネット上のレビューを見ると、ER-4シリーズで不足気味だった低音の量感がアップし、コードの材質が改善されたとあります。無骨だった見た目はかなりスタイリッシュになっています。

そして何より、約1万円でER-4の系譜を引くエティモのサウンドを楽しめるわけです。IE80に対するIE60みたいなスタンスですね。

現在では円高の影響で1万円付近ではなかなか買えないようですが、僕は音屋で並行輸入品を買ったので10000円ほどでした。「並行輸入品」といっても、一応2年間の保証はつくらしいのでまあ安心でしょう。たぶん。

というわけで、hf5を一ヶ月ほど前に買ったわけです。

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というわけで「レビュー編」につづく。続きは下記のリンクからどうぞ。

svchostexe.hatenablog.com