Like The Floating Moon pt.2

音楽レビュー、読んだ本、ひとりごと。記事を書く時の「冗長さ」と書かない時の「やる気の無さ」の落差が非常に激しいブログです。

高級イヤホンを(中古で)買った (前編)

ひさしぶりの更新です。前回の記事はEtymotic Researchのhf5を買って「BA型イヤホンやべえ」って話でした。今回もイヤホン話です。(音楽レビューとかは・・・まぁ近いうちに・・・)
あれからさらにオーディオ沼にはまりこんでしまいまして、(中古ですが)思い切って高級イヤホンを買おうと決意。盆明けすぐに某イヤホン専門店(というかeイヤホン)に出向きました。
というわけで、購入から一ヶ月以上経ちましたが、試聴の際の比較などレビューします。

今回は、中古で25000円前後、BA型 or ハイブリッド、弱ドンシャリという条件から色々選びました。プログレ、ジャズ、HR/HM、ロック、エレクトロニカ、アニソンなど色々なジャンルを聴ける機種が理想です。
 

https://instagram.com/p/6eIXudzZZZX6Gb5iwiFMVBjffIK9E4C6xotuE0/

 

 以下、比較レビューです。

 

Audio-Technica IM03

3BA。高域寄りの弱ドンシャリ~モニター。独自端子だがリケーブル可。
大人しめだけれどもキレが良く、明るい音色。ハイハットや女性ボーカルの伸びが綺麗。ベースもそこそこの音量でタイトに鳴らしてくれる。音場はやや狭め。解像度は高めだが、割りとあっさりしている。

中域の鳴らし方がやや太めで、ピアノの鳴らし方が上手い。上原ひろみやKeith Jarretの音楽によく合う。ボーカルの距離もやや近め。
低音のアタック感は若干不足気味かも。重めのロック/メタル/ハードコアを鳴らすにももう少し元気さが欲しいとも思う。
反透明の筐体はイヤモニっぽくて格好いいが、常用するにはちょっと大きめ。

正直かなり求めていたものに近かった。最後まで買うか何度も迷いました。

DUNU DN-2000

2BA+1Dのハイブリッド型。高域寄りの弱ドンシャリ。リケーブル不可。
ハイブリッド型ということで低域に期待していたが、思っていたよりも量が少なくて少しがっかり。解像度は高めだが、少し音が細く、神経質な感じがする。
中~高域はスーッと伸びていく感じ。BA型にありがちな高域が伸びきらず詰まってる感じは殆ど無い。音場は広いが、ボーカルがやや遠く感じる。

問題は、フィット感がよろしくないこと。付属のイヤーピース(かなり数・種類が多い)、リングやフィンなど色々試してみたがあまり改善せず。金属製のハウジングもやや重い。何より、イヤーピースが耳にフィットしていないせいか、音の定位がめちゃくちゃだった。

フィット感が悪く、音も細く定位も安定せず、リケーブル不可…ということで、購入候補から除外。うーん、D型大好きマンだからハイブリッドのDN-2000にはかなり期待してたんだけどなぁ…

final heaven V

シングルBA。若干中~高域寄りのカマボコ。解像度は高めだがウォームな音色。リケーブル不可。

3BAやハイブリッド型の様な音の伸びは流石に無いが、シングルBAにしては全音域をよく鳴らしている。下位機種のheaven VIは同じシングルBAのhf5と比べても少し音が粗いと感じていたが、流石に上位だけあり音の描写力も随分と上がっている。

ロックを聴くにはちょっとキレが足りないかなと思ったので、今回の購入候補からは外れた。しかし、アコースティックなジャズは今回試聴したイヤホンの中でも一番雰囲気良く鳴らしていたと思う。
特にサックスやミュートトランペットの音色の艶やかさは鳥肌が立つほど。これは是非サブ用(ジャズ専用)に欲しいと思いました。

Westone UMPro30

3BA。中~低域寄りの弱ドンシャリ~モニター。MMCX端子でリケーブル可。
音場は普通~やや狭め。解像度は今回試聴したイヤホンの中ではダントツに高いが、ウォーム寄りな音色なので聴き疲れはしにくい。

BA型にしては反則級な程に低域が太い。中域は距離が近く、ボーカルが生々しい。高域は耳に刺さらず控えめかと思いきや、伸びるところはかなり伸び、篭もり感も皆無。ヘッドホンで言うとHD25の音に近いかも?
D型のIE80やFX850に比べると鳴らし方が無機質な感じはやはり否めないが、どっしりと包み込むような低域や元気のある鳴り方はD型にかなり近い感がある。BA型には珍しく重めのロックもガンガン鳴らせる。音量も大きく、直挿しで十分に鳴らせる。
音の定位はどっしりと低めに落ち着いているにも関わらず、解像度がかなり高く、元気いっぱいで楽しい音を鳴らしてくれるというのが珍しい。値段がワンランク上のSE535LTDやUE900sと比べても圧倒的に好みの音。

ハウジングはドライバーや基盤が少し見える半透明のプラスチック。見た目がチープすぎてお世辞にも三万オーバーの製品には見えない。イヤモニ型だが、ShureのSEシリーズと比べて耳の中に入れるには少し太いと感じる。
本体の「殻割れ」の故障報告が多いので中古での購入は不安だったが、「殻割れ」が起こりやすい初期ロットではなかった(ハウジングの内側部分に基盤が見える)ので安心。

 

というわけで…IM03とUMPro30で悩みぬいた結果…

 

https://instagram.com/p/6hAnnuTZVajtbeolJm6YE-EOR0bdIH--klujs0/

 

結局、UMPro30を買いました。

中古で23000円くらいでした。(店頭で新品を買うと38000円くらいですね。)
ネットでの故障報告が多いのと見た目の安っぽさがかなりネックでしたが、やはり「低域の太さ」「中域の生々しさ」、そして「圧倒的な音の情報量なのに聴き疲れしない」という、同価格帯ではなかなか無い特徴が購入の決め手になりました。
これより明らかに上の機種を目指すと、IE800やK3003、AngieやMaverick、さらにはカスタムIEM…と、正直言って7~15万円辺りの超高級イヤホンになってしまうと思います。中古だとしても流石になかなか手が出ません…。

 

しばらく鳴らしていると、「理想からすると若干暗めの音かな?」と思いました。
というわけで、イヤーピースを替えてみます。エティモの三段フランジを改造して二段フランジにして装着すると、一気に理想の音に近づきました。
三段フランジの先の傘を切り取り、切り取った傘の筒部分のシリコンを長さ調整用のリングとしてステムに嵌め、その上に二段フランジを嵌めます。
こうすると、中~高域寄りのイヤホンに一気に化けます。締りのある低域が元気良く鳴り、高域は量が増えキラキラと鳴ります。明るめでハリのある音です。遮音性は若干犠牲になりますが、音場も広くなりますね。IM03の音を更に濃厚にグレードアップした感じです。

 

しかし・・・・・・
初期不良が頻発すると言われている初期ロットではないようなので安心していたんですが、一週間ほど使っていくうちに「あ、これ不具合かも…」という症状が頻発していきます。
音の定位が不安定になりボーカルが片側に寄ったり、たまに片方の低域がスカスカになったり、片側が全く鳴らなくなる時もあるなど。
いくら音質が良くても、こんな風になるのでは不安でいっぱいで音楽にも集中できません。中古なので保証も一ヶ月しか効きませんし・・・

そのうち、右側から低域が完全に鳴らなくなってしまいました。
店頭で不具合を確認してもらった後、泣く泣くですが返品・返金となりました。
ああ、、、UMPro30・・・短い間だったけどありがとう・・・今度買う時は多少高くても国内代理店保証付きの新品で買うね・・・

そんなこんなで、返金されたお金を元に、またその場で中古イヤホンを選びなおす旅を始めました。
そして最終的に購入したのが、こちらです。

https://instagram.com/p/7Isq9MTZad4cazo86Uz9jBALp5kgIASMobC-g0/

 

なんと、あろうことか一回目の試聴の時にボロクソの評価だったDN-2000を買っちゃいました!!一体何が起こったのか?後半へ続きます。